『エンジェルス・イン・アメリカ 国家的テーマに関するゲイ・ファンタジア』(えんじぇるす・いん・あめりか こっかてきてーまにかんするげい・ふぁんたじあ、Angels In America: A Gay Fantasia on National Themes)は、トニー・クシュナーによる戯曲。 1980年代のニューヨークを舞台に、エイズに冒された同性愛者たちと、その周りの人間模様を描く。 第一部『至福千年紀が近づく』(Millennium Approaches)、第二部『ペレストロイカ』(Perestroika)の2部構成で、第一部は1991年、第二部は1992年に初演された。1993年?1994年に第一部・第二部ともブロードウェイで上演され、それぞれ1993年・1994年のトニー賞で演劇作品賞を受賞。第一部は1993年のピュリッツァー賞で戯曲部門に輝いた。2003年にテレビドラマ化、2004年にフランスでオペラ化されている。 1980年代、ロナルド・レーガン大統領時代のアメリカ。エイズは同性愛者だけがかかる癌であると思わされていた時代。政治、経済、宗教、人権、法律、医療……アメリカは様々な闇を抱えていた。 赤狩りの時代に権力を得た弁護士ロイ・コーンは、目をかけている連邦控訴裁判所の首席書記官ジョー・ピットをワシントンの司法省に送り込もうとする。しかしジョーは妻ハーパーを気遣い返事を保留する。ハーパーは何故かジョーへの不信感を募らせ精神安定剤を飲んでは現実逃避ばかりしているのだ。ジョーと同じ職場で働くルイスは同性の恋人プライアーからエイズであることを告白される。ショックを受けたルイスはプライアーの前から突然姿を消してしまった。そんな中、ルイスとジョーは出会い、親しくなっていく。息子ジョーから同性愛者であると告白された母ハンナは急遽上京、ひょんなことからプライアーと知り合い、彼の面倒を見るようになる。そのプライアーの前には、突然天使が現れ、彼には使命があると告げていく。一方、ロイ・コーンもまた主治医からエイズを宣告される。しかし彼の病床を訪れるのは天使ではなく、自分が電気椅子送りにした死者だった。 トニー・クシュナーは、ユリイカ・シアターの委託を受け、『エンジェルス・イン・アメリカ』を1990年のワークショップ公演を経て発表。1991年5月に第一部『至福千年紀が近づく』が、1992年11月に第二部『ペレストロイカ』が初演を迎えた。 1993年5月、ジョージ・C・ウルフの演出により、第一部『至福千年紀が近づく』のブロードウェイ公演が開幕。同年のトニー賞で演劇作品賞を受賞した。1993年11月、第二部『ペレストロイカ』のブロードウェイ公演も開始され、1994年のトニー賞で演劇作品賞を受賞。第一部・第二部ともに、公演は1994年12月に終了した。[1] その後、ブロードウェイのほか、本作は世界各国で上演が重ねられてきた。クシュナーは第一部・第二部ともに長年にわたる改稿を重ね、2013年に完全版(Complete Edition)を刊行している。 2017年4月、イギリス・ロンドンのロイヤル・ナショナル・シアターにて、マリアン・エリオットによる新演出版が開幕。アンドリュー・ガーフィールドらを出演者に迎えたこの上演は、ローレンス・オリヴィエ賞の最優秀リバイバル賞などを受賞した。その後、2018年にはブロードウェイ公演も実施され、トニー賞でも最優秀リバイバル賞などを受賞している。 2017年4?8月、イギリス・ロンドンのロイヤル・ナショナル・シアター リトルトン劇場にて上演されたマリアン・エリオット演出版を収録したもので、世界各国で上映された。出演者はアンドリュー・ガーフィールド、ネイサン・レイン、デニース・ゴフ、スーザン・ブラウンほか。上映時間は第一部が3時間58分、第二部が4時間28分(ともに休憩を含む)。[2] 2021年2月、ナショナル・シアターのストリーミング・サービスNational Theatre at Homeでも配信された。[3] 1994年11月、ロバート・アラン・アッカーマンの演出により、第一部『至福千年紀が近づく』を銀座セゾン劇場にて上演。翻訳は吉田美枝。出演は宝田明(ロイ・コーン役)、堤真一(ジョー役)、余貴美子(ハーパー役)、高橋和也(プライアー役)、小須田康人(ルイス役)、天宮良(ベリーズ役)、麻美れい(天使役)、佐藤オリエ(ハンナ役)。[4][5] 2004年1?2月、ロバート・アラン・アッカーマンの演出により、tpt
概要
ストーリー
主な上演
ナショナル・シアター・ライブ版
日本での主な上演